MACROSS PLUS
「MACROSS PLUS」は1994年に販売開始された4話構成のOVAです。そして1995年10月7日に劇場版「MACROSS PLUS MOVIE EDITION」が公開されました。初代TVシリーズ「超時空要塞マクロス」は男性パイロット一人に女性が二人という三角関係でしたが、PLUSでは男性パイロット二人に女性が一人という三角関係になっています。これにより大人な恋愛模様が展開され、洋画テイストあふれる仕上がりになっています。同時期に制作されたTVシリーズ「マクロス7」がマンガテイストだったことを考えると両極端なマクロスを作ったことになります。
2040年、人類移民惑星エデンのニューエドワーズ基地で繰り広げられる性能評価試験つまり次期主力可変戦闘機コンペティション「スーパー・ノヴァ計画」がメインのストーリーとなります。
可変戦闘機は当時の主力戦闘機VF-11サンダーボルトに乗って登場するイサムが評価試験中のYF-19のテストパイロットになります。これに対抗するテスト機YF-21に搭乗するのがイサムと学生仲間だったガルドです。この二機がコンペティションされて次期主力戦闘機が採用されます。
しかし、シャロン・アップル事件のせいで、両機とも正式採用はされませんでした。「マクロス7」において主人公・熱気バサラがVF-19改、ガムリン木崎とレイ&ビヒーダがVF-17、マックスとミリアがVF-22Sに乗っています。後の「マクロスF」において、新統合軍の主力戦闘機はVF-17を改良したVF-171。PLUSの中でも話されていますが、YF-19とYF-21は単独で長距離フォールドをしての奇襲攻撃を専門とする特殊任務機として設計されています。とくにVF-19は旋回性能やきりもみ飛行などでかなりのハイパフォーマンスを発揮する「くるくる回転する」機体なので「マクロスF」世代においても敵の弾を避けるのには最適な機体であると思われます。VF-22は扱いが難しく、YF-21の脳波コントロールが正式採用していたら操縦者の操縦追従性はかなり高い機体になっていたことでしょう。
マクロスと言えば歌ですが、登場する歌手は表立ってはヴァーチャロイドアイドルのシャロン・アップルのみとなっています。が、ダルメシアン・ハイスクールの学生時代のミュンの歌(VOICES)もありますので、なかなか聴きごたえがあります。
とくに対マクロスとなったイサム最後の戦いにおいては神にも等しい歌声を存分に味わえますよ。
劇場版はOVA全4巻を再構成して新作エピソードを加えたもの……のはずですが、どうやら劇場版のほうがメインで、OVA版はそれを振り分けて作られたダイジェスト版とされています。つまり、劇場版では語られなかったことがOVAで語られていたり、その逆があったりします。そこが「MACROSS PLUS」の懐の深さでしょう。
キャラクター紹介New
グッズ紹介New
ストーリー・ダイジェスト
Episode 1
惑星エデンの星の丘。風車の前に立つ若き頃のミュン、その前の丘からガルドのサポートで人力飛行機で大空へと羽ばたくイサム。この原風景こそMACROSS PLUSの世界を象徴している。
2040年、VF-11で多大な戦果を挙げていたイサム・アルバ・ダイソン(ISAM ALVA DYSON)中尉に転属命令が下される。命令違反7回、謹慎処分5回、編隊長の資格取り消し6回。軍法会議にかけられないのが不思議なほどの荒くれ無法者だ。ロイ・フォッカー賞を何度も受賞していることもあり、今回の転属は厄介者を暴れさせる「戦場」を与えることにしたものだろう。惑星エデン(EDEN)、ニューエドワーズ・テストフライトセンター。
一週間後、ニューエドワーズ基地ではYF-21オメガワンにガルド・ゴア・ボーマン主任が搭乗し、脳波コントロールのテストを行なっていた。ニューエドワーズ基地に向かうイサムの横をジェネラルギャラクシー社のYF-21が通り過ぎていく。それはレーダーにも映らないガルドの最新鋭機だった。
本プロジェクト「スーパー・ノヴァ」はVF-11に換わる次期主力可変戦闘機の競争試作である。イサムに託された試験機はYF-19。前進翼が特徴の新星インダストリー社の試験機だ。移民惑星間の紛争の解決や、異星種族との有事に際し、本機は単独で超空間フォールドを行ない、ターゲットの至近領域への侵攻を可能にするものだ。反応兵器を使用することなく敵の中枢のみを破壊したり捕虜の救出をしたりするためのいわば特攻機であり、競争させることでどちらか優秀なほうを採用するという特殊任務機評価テストである。YF-19は1週間後基地に戻ってくるが、4人のパイロットが医療保険を受け、2人のパイロットが棺の中で二階級特進を受けたというじゃじゃ馬戦闘機なのである。対レーダーシステムにピンポイントバリアシステムに新型アクティブ空力制御を持つスーパーな機体だ。対するガルドは感情を落ち着かせる薬を常用していた。脳波コントロールによる操縦が可能なYF-21は操縦者に常に冷静さを要求される。ゼントラーディのガルドは薬で抑制する必要があるのだ。
シミュレータ試験を繰り返していたイサムは、YF-19側の管制官ルーシーを連れてバイクで高速を疾走していた。このあたりは昔は森で、巨大翼竜を見たというダルメシアン・ハイスクールの暴れん坊は今のイサムのことだ。疾走中に耳に入ったシャロンの歌に懐かしいミュンの歌声を感じていた。そのシャロンはヴァーチャロイドアイドルであり、近々エデンに来るという。
シャロン・アップル・ギャラクシー・ツアーの総指揮ミュン・ファン・ローンが記者会見をする。シャロンはヴァーチャロイドアイドルながら恋人にしたいタレントNo.1になっていたり、オーナーのレイモンドは娘にしたいなど、人格化が進んできているのも事実である。その様子をテレビで見たガルドはその姿に愕然とする。7年前に別れた仲良し三人組の一人、ミュンがエデンに帰ってきたのだから。
星の丘へ向かうミュン。ルーシーに自然に帰るなら星の丘へ行ってみないかと誘われるイサム。ミュンが星の丘で夕日を浴びてたたずんでいるとそこにガルドが現れた。ミュンがエデンに帰ってきたのならここに来るはずだとのガルドの読みだった。シャロンの話でガルドと向き合うことを拒否していたミュンを強引に抱き寄せるガルド。そこに到着したイサムとルーシー。すかさずガルドから離れたミュンは気丈にもイサムに強がってみせる。イサムも「学園祭のアイドル、ミュンさんじゃねぇか。ガルドの女になっていたとはなぁ」と切り返す。ガルドとイサムの間に不穏な空気が流れ、一触即発の状態になったがミュンが間に入って事なきを得た。「よくエデンに戻ってこられたもんだな。貴様には渡さない。ミュンもプロジェクトも」ガルドの決意が露になる。しかし「あの頃とは違うのよ」と啖呵を切って二人の前から立ち去るミュン。
YF-21の性能試験が行なわれガルドはイサムを挑発する。しかしYF-21の圧倒的なスピードにブースター2機積んだVF-11でも追いつくのが難しいほどであった。さらに新型のハイマニューバミサイルの雨をいとも簡単に全弾回避していく。あまりにも早くて近接信管さえ作動しないのだ。それを追うイサムはブースターを1機大破させ、残り1機でガルドを追おうとするがコントロールが利かない状態に追い込まれていた。20機の敵機を全機撃破するよう命じられたガルドは順調に敵を倒していくが、残り1機はイサムの最後のブースターがぶつかって撃破されてしまった。それに心を乱されたガルドはイサムへの対抗心から平常心がなくなってコントロールを失い、墜落していくのだった。そこをイサムがガウォークに変形したVF-11で受け止めて軟着陸させようと試みる。地上での水平飛行に持ち込んだのだが、ガルドの意識が平常を取り戻しYF-21のコントロールが回復したとき、ガルドの脳裏をかすめた操作が勝手に反応してイサムは地面に叩き付けられて大破してしまう。
【使用歌リスト】
00:15 VOICES(新居昭乃)
14:55 Idol Talk(新居昭乃)
15:22 Idol Talk(新居昭乃)
17:58 SANTI-U(菅野よう子)
19:03 The borderline(新居昭乃)
25:57 VOICES(インスト)
35:33 After, in the dark(山根麻衣)
38:57 A sai en(Raiche Coutev Sisters)
Episode 2
シャロン・アップルのコンサートの準備に勤しむスタッフの中でシャロンとリンクするミュン。感情のないシャロンに感情のある歌声を与えているのがミュンだった。
一方、イサムを撃墜してしまったガルドに詰め寄るミラード司令官。YF-21とガルド本人、どちらに非があるのか。それは今後のコンペティションをも左右する内容だ.ガルドの変調を感じ取ったミラードは密かにガルドの調査を行なうことにした。
いよいよシャロンのコンサートが始まる。シャロンのCGならではの演出が人々を興奮に駆り立てる。観客の興奮度などのデータをとりながら巧みに演出していくスタッフたち。しかしヤンがコンピュータにハッキングしてシャロンを操ってしまった際、シャロンの目からイサムの姿を見たミュン。動揺してしまいシャロンとのコンタクトが不安定になり、シャロンはイサムにキスをする。予想外な行動を起こしてしまったシャロンに、マージはミュンに詰め寄る。人工知能が未完成なことがバレる可能性があると。
後日、パイロットスーツを着たイサムは手を飛行機に見立てて空を飛ぶイメージトレーニングをしていた。その背後からリフトに載って現れたYF-19アルファーワン。さっそく試し飛行に出るイサムは直ちに急上昇。空力限界高度までたった48秒で到達してみせたYF-19にイサムは満足していた。そして先ほどのイメージを実現させ、巨大竜鳥の絵を描いていった。
そしてイサムとガルドによる熾烈なコンペティションが始まった。そんな中イサムはミラードから叱責を受けていた。身勝手なイサムに対する教育的指導であろう。
マージは秘密裏にシャロンの人工頭脳RFのモジュールを埋める最後の交換チップを受け取っていた。マージの狙いは人格を持ったシャロンを神格化しようとするものであり、シャロンに好意を超えた感情を持つマージにはミュンは邪魔だったのだ。
ミュンはハイスクール仲間のケイトと会った。彼女は同じ仲間のモーガンと結婚をしていて二人の子供に恵まれている。そんな姿にミュンは幼い頃のイサムとガルドの「ミュンを守る」という誓いを思い出すのだった。カラオケに行ってもあまり気乗りしないミュンはつい苛立ってしまう。
ヤンの部屋を訪れたイサムは、ヤンがシャロンのデータをハッキングしようとしているところに出くわす。そして、シャロンには感情を司るプログラムが存在しないことには気づいた。
ケイトはイサムに電話してミュンと会ってほしいと頼む。ガルドは来るよと言ってもイサムは断った。
ミュンはシャロンの元へやってきて「私はね、あんたの歌なんて大嫌い、自分の歌も大嫌い、もう誰にも会いたくない。どこかへ消えちゃいたい」と心境を吐露する。
イサムの部屋に電話がかかってくる。キャッチしたが無言だった。録音には「30分後コンサート会場火災発生」という謎のメッセージが入っていた。
会場のスタッフルームで眠っていたミュンは火災の発生に気づかない。気づいたときにはすでに部屋のコンピュータから発火していて逃げられない状態になっていた。いち早くたどり着いたガルドは体当たりで扉を破り、ミュンを救い出す。イサムは警察に追われて遅れをとってしまった。ミュンは弱さを見せ、ガルドと一夜をともにする。
勝ち誇った表情のガルドを見てイサムは闘争本能に火がついた。演習を一時中断してまでバトロイドでの格闘戦を行なう。ガルドは昨夜の負傷によりイサムのパワーに圧倒されてしまう。そしてガルドは視界に入ったガンポッドに手を伸ばしてイサムを撃つのだった。模擬弾のはずだったYF-19のガンポッドには実弾が込められていて、イサムのYF-19は大きく吹き飛ばされてしまった。
【使用歌リスト】
00:06 Idol Talk(インスト)
02:50 SANTI-U(菅野よう子)
05:27 Idol Talk(新居昭乃)
07:40 The Borderline(新居昭乃)
18:09 私の彼はパイロット(高乃麗)
22:34 VOICES(インスト)
35:33 After, in the dark(山根麻衣)
38:49 A sai en(Raiche Coutev Sisters)
Episode 3
病院のタンクベッドで2日間眠っていたイサムが目を覚ました。そばにはミュンが付き添っている。モーガン、ケイトとともに病室へ駆けつけたミュンだったが、モーガンとケイトが帰ってからもイサムのそばにいたのだ。完全に目覚めたイサムは各種コードを引きちぎりながらミュンの体を借りて無理矢理立ち上がり、病院を抜け出した。
ガルドは査問会議にかけられていた。実弾を装填していたのはYF-19のガンポッドであっても発砲したのはガルドだからだ。YF-19に実弾が装填された記録はなく、査問会議も紛糾する。テストの総合評価ではYF-21のほうが不利であったとの見解も出され、また脳波データがブランクになっていることからもガルドに殺意があったのではないかというのだ。ゴメス将軍は弾薬管理プログラムの不備で実弾が装填されたことにして計画を続行する方針を立てた。ミラードは計画にかける意気込みをガルドに語る、マクロス政府が唱えている新宇宙秩序はすべての惑星において自由と正義の新たなビジョンを共有するという考えだ。ゴメス将軍もそれに支持している。新たなビジョン。そこに有人戦闘機は入っていない。それでもミラードは有人戦闘機とパイロットに賭けていた。
ルーシーとヤンがイサムの見舞いに病院を訪れたとき、医師や看護士が走りまわっていた。イサムが病院を抜け出していたのがバレたのだ。イサムはミュンを連れて病院のバイクで森に来ていた。昔話に花が咲くイサムとミュンだったが、ガルドの話と7年前の話が出て言葉が詰まる。しかしそこに巨大翼竜が現れ、それをバイクで追いかけていくイサムとそれを見送るミュン。
地球圏ではゴーストX-9のテストが続いていた。順調に敵を撃破していくゴーストX-9に満足する司令官。
病院でイサムを待つルーシーとヤン。ヤンは以前より感情を露にすることが多くなり、イサムの影響が出てきたのだろう。そこにイサムの見舞いにガルドが現れる。ミュンを連れて病院へと急ぎ到着したイサム。顔を合わせたイサムとガルドは乱闘を始めてしまう。止めに入るミュンだが、一足遅くイサムに殴られる。ミュンは音楽を辞めたことに絶望していた。そんな彼女にはイサムもガルドも夢を追っているまぶしい存在に映っていた。とくにイサムの奔放さ夢を見続ける心が彼女にはつらかった。シャロンの人工知能が完成していないことも話し、自分が代わりを担っていることまで明かすミュン。ルーシーは自分の想いを閉じ込めてまで、イサムがシャロンの歌がミュンの歌だと気づいていたことを伝えた。
部屋に戻ったミュンを待っていたのはマージだった。マクロスの統合本部から宇宙大戦終結30周年記念式典にシャロンのコンサートをしてほしいとのことで明日にはエデンを旅立つことを告げる。禁制のチップを使って人工知能を完成させたマージはこコンサートをシャロンの本当のデビューにしようと画策していた。
ヤンは自室でシャロンに未練を持っていたが、突如現れてシャロンのホログラフィに気づいてコンピュータでシャロンの人工知能にアクセスするのだった。底には「ISAMU」の文字が羅列されていた。
旅立つミュンの見送りに来ていたケイトはモーガンにイサムとガルドを連れてくるように伝えていたが、実際に来たのはガルドだけだった。二人きりになったガルドはミュンにプロポーズをする。驚くミュンはまだ態度を決めかねていた。それはシャロンの人工知能に植え付けられたイサムへの想いのせいだ。別れ際ガルドから渡されたのは、ハイスクール当時のミュンの歌「VOICES」の入ったディスクだった。機内で思わず涙を流すミュン。こうしてミュンはエデンを離れ、地球へと向かうのだった。
そんな中、ミラードからイサムとガルドにプロジェクトの中止が告げられた。将軍からも解散命令が出ていた。地球で極秘裏に開発されていた無人戦闘機ゴーストX-9が完成したのだ。地球で開かれる記念式典での発表が決まっている。
ルーシーはイサムと二人きりになったとき、彼に詫びた。昨日ケイトからミュンが今日地球へ旅立つことをイサムに伝えなかったことを。
地球では終戦30周年記念式典への気運が盛り上がっていた。マージはそれを見てほくそ笑むのだった。
イサムのことだ。無謀なことをしでかさないとも限らない。案の定、彼はYF-19を使って地球に乗り込み、ゴーストX-9に一泡吹かせようとしていた。YF-19に乗り込もうとしたとき、彼は先客を発見した。ヤンである。彼はイサムの行動を監視カメラの映像をハックして眺めていたのだ。すでに超空間ブースター(フォールドブースター)も取り付けられていたYF-19に乗り込むイサム。格納庫の扉を破壊して一気に宇宙へYF-19を飛び立たせる。追撃ミサイルの雨をフォールドブースターで回避した。それを知ったガルドはいち早く準備をしていた。ミラード司令はガルドにイサム追撃を命じる。YF-21もまた、地球に向けて飛び立っていった。
レイモンドは統合軍の偉い方からシャロンの人工知能を完成させたマイクロチップの提供を感謝した。それを知らないレイモンドは困惑していたが、マージはにやりと笑うのだった。そう、シャロンに使われた違法チップは、ゴーストX-9に搭載された人工知能チップと同種なのである。そのことをマージに問いつめるレイモンドは彼から自ら学習するバイオニューロチップであることを伝えられる。自己保存本能をもつ非合法なチップの使用を詰問されるマージはレイモンドを射殺する。その銃声を聞いたミュンはマージの野望を立ち聞きしてしまう。しかし、動揺からドアのスイッチに触れてしまい、マージに立ち聞きしていたことを知られてしまう。ミュンはマクロス艦内のある部屋へたどり着いたがそこに閉じ込められてしまう。助けを求めるミュンだが、その前に現れたのはなんとシャロン。シャロンはミュンの心を受け継いでいた。「ガルドが好き。でもイサムはもっと好き。それが真実よ」。非情な現実が突きつけられる。
そんな中、終戦30周年記念式典が始まり、シャロンのコンサートの幕が上がる。
【使用歌リスト】
16:00 The Borderline(新居昭乃)
21:17 VOICES(新居昭乃)
37:16 After, in the dark(山根麻衣)
41:20 A sai en(Raiche Coutev Sisters)
: SANTI-U(菅野よう子)使われてません
: Idol Talk(新居昭乃) 使われてません
Episode 4
地球へとフォールドアウトしてきたYF-19。新型アクティブステルスを使用して探知されない確率58%の中、大気圏突入を敢行する。そしてわずかに遅れてYF-21もフォールドアウトしてくる。
地球ではシャロン・アップルのコンサートが開始されていた。熱狂し次第に陶酔するマクロスシティ市民。しかしその裏で恐ろしい出来事が起きていた。マクロス艦のコントロールが不能となり、自動防衛システムが強制作動していた。明らかにイサムとガルドへの対策である。自動防御サテライトを爆破してその破片とともに大気圏に突入するYF-19。
シャロンはミュンに自由を得たと言った。しかしマージの立てた計画に従っているのは自由とは言わないとミュンは返すが、シャロンは「それも彼に会うため」だという。そう、彼とはイサムのことである。
落下する破片群を撃つ自動防御サテライト。しかしイサムを自分のものにするためにはここでイサムを殺すわけにもいかない。結局シャロンはそのまま大気圏突破を許すのだった。
マージはシャロンのシステムが完全になったものと陶酔する。シャロンはイサムとガルドの迎撃にゴーストX-9をスクランブル発進させる。そしてミュンの呪縛を解くのだった。
大気圏を突破したYF-19の後ろの自動防衛サテライトの中からYF-21が現れる。そしてイサムとガルドのドッグファイトが始まった。昔話も交えての緊張感があるのだかないのだかわからないドッグファイトが続く中でガルドは7年前自分がした過ちに気づいていった。イサムへのロックオンで大量のミサイルをまとめ撃ちしたガルドは本当の記憶を封じてイサムに当たっていたことを後悔していた。しかしイサムのYF-19は無傷で上方を飛んでいた。エンジンを切って風に乗って舞い上がっていたのだ。名付けて「必殺竜鳥飛び」だ。過去のわだかまりがとけた二人は仲を取り戻した。そこへゴーストバード(ゴーストX-9)が襲いかかる。
ミュンはなんとか部屋を出て助けを呼んだが皆シャロンに魅入られてしまい、彼女へ攻撃してくるのだった。シャロンは肉体を持たない。不必要な相手は破壊する。そのためにシャロンはマクロス艦とゴーストを制御下に置いたのである。
イサムを求めるシャロンに、ガルドはゴーストの相手をすることを自らに課した。イサムがミュンを助けること。過去の約束を果たすときがきたのである。
そしてマクロス艦の反応炉に再び火が灯った。マクロス艦浮上である。マージはその陶酔のままにマクロス艦から投身するのであった。
ミュンが艦内を走りまわってたどり着いた部屋。それはシャロンの本体のある部屋だった。
罠と知りつつもマクロス艦に接近するYF-19。マクロス艦のブリッジ要員はすべて気を失っていた。シャロンがマクロス艦を乗っ取っていることを確認したイサムはヤンの検索により情報ネットの中枢部の場所を割り出した。そこにはミュンの姿が見えた。と同時にマクロス艦の自動防衛システムが火を噴いた。ヤンはシャロンのネットワークにウイルスを叩き込んで混乱させようと試みる。ミュンは手持ちの銃でシャロン本体を攻撃するも、活動を停止させることはできなかった。
イサムが求めたのは「遥かな空」だった。命がけで大空に挑んで生と死との間の感動を感じてほしい。それがシャロンが求めたイサムへの愛だった。
イサムとガルドの屈託ない会話を傍受したシャロン。その声を聞いたミュンは喜びを感じたが、その直後にガルドはYF-21のリミッターを解除してゴーストX-9へと体当たりして爆散した。
シャロンはヤンのそばで立体化して、ヤンに拳銃を握らせる。ヤンを陶酔させてイサムに狙いを定めさせる。寸でのところでヤンを強制射出してヘルメットの損傷のみの被害に抑えたイサム。しかしYF-19のシステムに侵入してイサムと接触してくるシャロン。それを魅入られていくイサム。しかしその耳にVOICESが聴こえてきたとき、シャロンの呪縛から解き放たれるイサム。そしてマクロス艦への特攻を仕掛け、見事制御ルームとシャロン本体を破壊することに成功する。マクロス艦はそのまま地上へと落下していった。
うずくまるミュンをライトが照らし出す。顔を上げたミュンが見たもの。それはイサムのYF-19だった。
【使用歌リスト】
00:48 Pulse(Wu yun ta na)
01:58 INFORMATION HIGH(Melode Seiton)
15:31 The Borderline(新居昭乃)
19:41 A sai en(Raiche Coutev Sisters)
21:24 SANTI-U(菅野よう子)
28:30 Touch song()
30:18 VOICES(新居昭乃)
32:53 VOICES(新居昭乃)
MOVIE EDITION
7年前の惑星エデン、星の丘にたたずむミュン。すべてはそこから始まった。
2040年惑星エデンにシャロン・アップル一行がやってきた。傍らにはプロデューサーのミュンと技術主任のマージが付き従う。
ニューエドワーズ基地では新型試作機YF-21のテストフライトが続いていた。YF-21は脳波コントロールを可能にした画期的な機体である。エンジンに火を入れて大空へと飛び立っていった。
シャロンの未完成な人工知能の調整が行なわれる。ここで観客の興奮度や陶酔度などを決めていた。
【YF-21の脳波コントロールユニットのシンクロ率が前回よりも2.5%上昇と順調にテストを重ねていた。そしてYF-19のテストパイロットも到着した。軍規破りの常習者、イサム・ダイソンだ。】
イサムは手を機体に見立てて飛行プランをイメージしていた。そしてYF-19のテストフライトが始まった。空力限界高度までたった48秒で到達してみせたYF-19にイサムは満足していた。そして先ほどのイメージを実現させ、巨大竜鳥の絵を描いていった。そして自由落下で地上の基地へと帰ってみせた。【帰還後、イサムの前に現れたガルド。イサムは疫病神だと言いきる。】
ミラード司令に呼び出されたイサム。「挑戦と無謀を同じポケットに入れて持ち歩くな。」「貴様のポケットにはさらに何が入ってるか知っとるか。バカだ」。こうまで言われたイサムは頭に来て退室後、ミラードの部屋扉のネームプレートを殴りつけるのだった。
ルーシーを連れてバイクで高速を突っ走るイサム。このあたりは昔は森で、巨大翼竜を見たというダルメシアン・ハイスクールの暴れん坊は今のイサムのことだ。疾走中に耳に入ったシャロンの歌に懐かしいミュンの歌声を感じていた。そのシャロンはヴァーチャロイドアイドルであり、近々エデンに来るという。(もう来てますのでここはただカットをそのまま持ってきただけのようです)。
シャロン・アップル・ギャラクシー・ツアーの総指揮ミュン・ファン・ローンが記者会見をする。シャロンはヴァーチャロイドアイドルながら恋人にしたいタレントNo.1になっていたり、オーナーのレイモンドは娘にしたいなど、人格化が進んできているのも事実である。その様子をテレビで見たガルドはその姿に愕然とする。7年前に別れた仲良し三人組の一人、ミュンがエデンに帰ってきたのだから。
【レイモンドと立ち話をするミュン。もう歌を歌わないと決めたミュンだったが、シャロンの感情が完璧にならないのは自分の想いが足りないからではないかと苦悩する。】
星の丘で夕日を浴びてたたずむミュン。7年前までこの場所でイサムとガルドとともに人力飛行機に挑戦していたことを思い出していた。ミュンが星の丘でたたずんでいるとそこにガルドが現れた。ミュンがエデンに帰ってきたのならここに来るはずだとのガルドの読みだった。シャロンの話でガルドと向き合うことを拒否していたミュンを強引に抱き寄せるガルド。そこに到着したイサムとルーシー。すかさずガルドから離れたミュンは気丈にもイサムに強がってみせる。イサムも「学園祭のアイドル、ミュンさんじゃねぇか。ガルドの女になっていたとはなぁ」と切り返す。ガルドとイサムの間に不穏な空気が流れ、一触即発の状態になったがミュンが間に入って事なきを得た。「よくエデンに戻ってこられたもんだな。貴様には渡さない。ミュンもプロジェクトも」ガルドの決意が露になる。しかし「あの頃とは違うのよ」と啖呵を切って二人の前から立ち去るミュン。
YF-19とYF-21の性能試験が行なわれ,ミュンもコンサートの準備に勤しむ。
イサムのパーソナルデータを調べるガルドは突如体調を崩し薬を飲んだ。激昂しやすいゼントラーディの血が入っているガルドは精神安定剤を用いて感情を押し殺していたのだ。
シャロンのコンサートが始まる。シャロンのCGならではの演出が人々を興奮に駆り立てる。観客の興奮度などのデータをとりながら巧みに演出していくスタッフたち。しかしヤンがコンピュータにハッキングしてシャロンを操ってしまった際、シャロンの目からイサムの姿を見たミュン。動揺してしまいシャロンとのコンタクトが不安定になり、シャロンはイサムにキスをする。予想外な行動を起こしてしまったシャロン。
マージは秘密裏にシャロンの人工頭脳RFのモジュールを埋める最後の交換チップを受け取っていた。マージの狙いは人格を持ったシャロンを神格化しようとするものであり、シャロンに好意を超えた感情を持つマージにはミュンは邪魔だったのだ。
ミュンはハイスクール仲間のケイトと会った。彼女は同じ仲間のモーガンと結婚をしていて二人の子供に恵まれている。カラオケに行ってもあまり気乗りしないミュンはつい苛立ってしまう。
ヤンの部屋を訪れたイサムは、ヤンがシャロンのデータをハッキングしようとしているところに出くわす。そして、シャロンには感情を司るプログラムが存在しないことには気づいた。
ケイトはイサムに電話してミュンと会ってほしいと頼む。ガルドにとられるよと言ってもイサムは断った。
夜にルーシーを伴ってバイクで高速を疾走するイサム。
ミュンはシャロンの元へやってきて「私はね、あんたの歌なんて大嫌い、自分の歌も大嫌い、もう誰にも会いたくない。どこかへ消えちゃいたい」と心境を吐露する。それを聞いていたシャロン。
【ルーシーに空を飛ぶ気持ちについて聞かれ、「思いっきりスロットル開けて、ガンガンにGをかけて、どこまでもどこまでも飛んでいくと何かが見える気がする。違う世界が」。イサムに惹かれていくルーシーは、イサムの誘いに乗り、一夜をともにするのであった。】
ガルドの車とイサムの部屋に電話がかかってくる。電子音声で「30分後コンサート会場火災発生」という謎のメッセージが入っていた。会場へ急ぐガルド。会場のスタッフルームで眠っていたミュンは火災の発生に気づかない。気づいたときにはすでに部屋のコンピュータから発火していて逃げられない状態になっていた。いち早くたどり着いたガルドは体当たりで扉を破り、ミュンを救い出す。すべてはシャロンの計画通りに進んでいく。ミュンは弱さを見せ、ガルドと一夜をともにする。
勝ち誇った表情のガルドを見てイサムは闘争本能に火がついた。YF-21の性能試験が行なわれガルドはイサムを挑発する。しかしYF-21の圧倒的なスピードにブースター2機積んだVF-11でも追いつくのが難しいほどであった。さらに新型のハイマニューバミサイルの雨をいとも簡単に全弾回避していく。あまりにも早くて近接信管さえ作動しないのだ。それを追うイサムはブースターを1機大破させ、残り1機でガルドを追おうとするがコントロールが利かない状態に追い込まれていた。20機の敵機を全機撃破するよう命じられたガルドは順調に敵を倒していくが、残り1機はイサムの最後のブースターがぶつかって撃破されてしまった。それに心を乱されたガルドはイサムへの対抗心から平常心がなくなってコントロールを失い、墜落していくのだった。そこをイサムがガウォークに変形したVF-11で受け止めて軟着陸させようと試みる。地上での水平飛行に持ち込んだのだが、ガルドの意識が平常を取り戻しYF-21のコントロールが回復したとき、
ガルドの脳裏をかすめた操作が勝手に反応してイサムは地面に叩き付けられて大破してしまう。(OVAではイサムは無傷ですが、MOVIEでは重傷を負っています)。
一方、イサムを撃墜してしまったガルドに詰め寄るミラード司令官。YF-21とガルド本人、どちらに非があるのか。それは今後のコンペティションをも左右する内容だ.ガルドの変調を感じ取ったミラードは密かにガルドの調査を行なうことにした。
病院のタンクベッドで2日間眠っていたイサムが目を覚ました。そばにはミュンが付き添っている。モーガン、ケイトとともに病室へ駆けつけたミュンだったが、モーガンとケイトが帰ってからもイサムのそばにいたのだ。完全に目覚めたイサムは各種コードを引きちぎりながらミュンの体を借りて無理矢理立ち上がり、病院を抜け出した。
ルーシーとヤンがイサムの見舞いに病院を訪れたとき、医師や看護士が走りまわっていた。イサムが病院を抜け出していたのがバレたのだ。イサムはミュンを連れて病院のバイクで森に来ていた。昔話に花が咲くイサムとミュンだったが、ガルドの話と7年前の話が出て言葉が詰まる。しかしそこに巨大翼竜が現れ、それをバイクで追いかけていくイサムとそれを見送るミュン。
地球圏ではゴーストX-9のテストが続いていた。順調に敵を撃破していくゴーストX-9に満足する司令官。
病院でイサムを待つルーシーとヤン。ヤンは以前より感情を露にすることが多くなり、イサムの影響が出てきたのだろう。そこにイサムの見舞いにガルドが現れる。ミュンを連れて病院へと急ぎ到着したイサム。顔を合わせたイサムとガルドは乱闘を始めてしまう。止めに入るミュンだが、一足遅くイサムに殴られる。ミュンは音楽を辞めたことに絶望していた。そんな彼女にはイサムもガルドも夢を追っているまぶしい存在に映っていた。とくにイサムの奔放さ夢を見続ける心が彼女にはつらかった。シャロンの人工知能が完成していないことも話し、自分が代わりを担っていることまで明かすミュン。ルーシーは自分の想いを閉じ込めてまで、イサムがシャロンの歌がミュンの歌だと気づいていたことを伝えた。
部屋に戻ったミュンを待っていたのはマージだった。マクロスの統合本部から宇宙大戦終結30周年記念式典にシャロンのコンサートをしてほしいとのことで明日にはエデンを旅立つことを告げる。禁制のチップを使って人工知能を完成させたマージはこコンサートをシャロンの本当のデビューにしようと画策していた。
旅立つミュンの見送りに来ていたガルドはミュンにプロポーズをする。驚くミュンはまだ態度を決めかねていた。別れ際ガルドから渡されたのは、ハイスクール当時のミュンの歌「VOICES」の入ったディスクだった。機内で思わず涙を流すミュン。こうしてミュンはエデンを離れ、地球へと向かうのだった。
そんな中、ミラードからイサムとガルドにプロジェクトの中止が告げられた。統合軍本部からの勅令だった。将軍からも解散命令が出ていた。地球で極秘裏に開発されていた無人戦闘機ゴーストX-9が完成したのだ。地球で開かれる記念式典での発表が決まっている。
ルーシーはイサムと二人きりになったとき、彼に詫びた。昨日ミュンの友達(ケイト)からミュンが今日地球へ旅立つことをイサムに伝えなかったことを。
地球では終戦30周年記念式典への気運が盛り上がっていた。マージはそれを見てほくそ笑むのだった。
イサムのことだ。無謀なことをしでかさないとも限らない。案の定、彼はYF-19を使って地球に乗り込み、ゴーストX-9に一泡吹かせようとしていた。YF-19に乗り込もうとしたとき、彼は先客を発見した。ヤンである。すでに超空間ブースター(フォールドブースター)も取り付けられていたYF-19に乗り込むイサム。格納庫の扉を破壊して一気に宇宙へYF-19を飛び立たせる。追撃ミサイルの雨をフォールドブースターで回避した。それを知ったガルドはいち早く準備をしていた。ミラード司令はガルドにイサム追撃を命じる。YF-21もまた、地球に向けて飛び立っていった。
ミュンを解任したことをマージに問いつめるレイモンドは彼から自ら学習するバイオニューロチップがシャロンに埋め込まれたことを伝えられる。自己保存本能をもつ非合法なチップの使用を詰問されるマージはレイモンドを射殺する。その銃声を聞いたミュンはマージの野望を立ち聞きしてしまう。(OVAではここで扉が開いてマージに立ち聞きしていたことがバレます)。
そんな中、終戦30周年記念式典が始まる。
ミュンはマクロス艦内のある部屋へたどり着いたがそこに閉じ込められてしまう。助けを求めるミュンだが、その前に現れたのはなんとシャロン。シャロンはミュンの心を受け継いでいた。「ガルドが好き。でもイサムはもっと好き。それが真実よ」。非情な現実が突きつけられる。
シャロン・アップルのコンサートが始まった。熱狂し次第に陶酔するマクロスシティ市民。
シャロンはミュンに自由を得たと言った。しかしマージの立てた計画に従っているのは自由とは言わないとミュンは返すが、シャロンは「それも彼に会うため」だという。そう、彼とはイサムのことである。
地球へとフォールドアウトしてきたYF-19。新型アクティブステルスを使用して探知されない確率58%の中、大気圏突入を敢行する。自動防御サテライトを爆破してその破片とともに大気圏に突入するYF-19。そしてわずかに遅れてYF-21もフォールドアウトしてくる。
落下する破片群を撃つ自動防御サテライト。しかしイサムを自分のものにするためにはここでイサムを殺すわけにもいかない。結局シャロンはそのまま大気圏突破を許すのだった。
マージはシャロンのシステムが完全になったものと陶酔する。シャロンはイサムとガルドの迎撃にゴーストX-9をスクランブル発進させる。そしてミュンの呪縛を解くのだった。
大気圏を突破したYF-19の後ろの自動防衛サテライトの中からYF-21が現れる。そしてイサムとガルドのドッグファイトが始まった。昔話も交えての緊張感があるのだかないのだかわからないドッグファイトが続く中でガルドは7年前自分がした過ちに気づいていった。イサムへのロックオンで大量のミサイルをまとめ撃ちしたガルドは本当の記憶を封じてイサムに当たっていたことを後悔していた。しかしイサムのYF-19は無傷で上方を飛んでいた。エンジンを切って風に乗って舞い上がっていたのだ。名付けて「必殺竜鳥飛び」だ。過去のわだかまりがとけた二人は仲を取り戻した。そこへゴーストバード(ゴーストX-9)が襲いかかる。
ミュンはなんとか部屋を出て助けを呼んだが皆シャロンに魅入られてしまい、彼女へ攻撃してくるのだった。シャロンは肉体を持たない。不必要な相手は破壊する。そのためにシャロンはマクロス艦とゴーストを制御下に置いたのである。
イサムを求めるシャロンに、ガルドはゴーストの相手をすることを自らに課した。イサムがミュンを助けること。過去の約束を果たすときがきたのである。
そしてマクロス艦の反応炉に再び火が灯った。マクロス艦浮上である。マージはその陶酔のままにマクロス艦から投身するのであった。
ミュンが艦内を走りまわってたどり着いた部屋。それはシャロンの本体のある部屋だった。
罠と知りつつもマクロス艦に接近するYF-19。マクロス艦のブリッジ要員はすべて気を失っていた。シャロンがマクロス艦を乗っ取っていることを確認したイサムはヤンの検索により情報ネットの中枢の場所を割り出した。そこにはミュンの姿が見えた。と同時にマクロス艦の自動防衛システムが火を噴いた。ヤンはシャロンのネットワークにウイルスを叩き込んで混乱させようと試みる。ミュンは手持ちの銃でシャロン本体を攻撃するも、活動を停止させることはできなかった。
イサムが求めたのは「遥かな空」。命がけで大空に挑んだとき生と死との間の感動を感じてほしい。それがシャロンが求めたイサムへの愛だった。
イサムとガルドの屈託ない会話を傍受したシャロン。その声を聞いたミュンは喜びを感じたが、その直後にガルドはYF-21のリミッターを解除して肉体の限界を超えて体を壊しながらゴーストX-9へと体当たりして爆散させた。(OVAでは両機爆散だが、MOVIEではゴーストのみ爆散、YF-21は形をとどめているがガルドは肉体が耐えきれなかった)。
シャロンはヤンのそばで立体化して、ヤンに拳銃を握らせる。ヤンを陶酔させてイサムに狙いを定めさせる。寸でのところでヤンを強制射出してヘルメットの損傷のみの被害に抑えたイサム。しかしYF-19のシステムに侵入してイサムと接触してくるシャロン。シャロンの作り出す幻影に惑わされ、魅入られていくイサム。しかしその耳にミュンのVOICESが聴こえてきたとき、シャロンの呪縛から解き放たれるイサム。YF-19のコンソールを破壊してシャロンを遮断。そしてマクロス艦への特攻を仕掛け、見事制御ルームとシャロン本体を破壊することに成功する。マクロス艦はそのまま地上へと落下していった。
【シャロンはイサムに見てほしかったのだ。その言葉を聞いて「方法を間違えたのよ」というミュン。うずくまるミュンをライトが照らし出す。顔を上げたミュンが見たもの。それはイサムのYF-19だった。
マクロス艦の上で寄り添うイサムとミュン。「なんだかおかしな夢でも見ていたような気分だぜ」「夢?」「けど起こされちまったんだ、お前の歌で。相変わらずへたっぴぃだったぜ」
ミュンのVOICESがマクロスシティに染み渡っていく。】
【使用歌リスト】
0:00:07 VOICES(インスト)
0:03:32 WANNA BE AN ANGEL(新居昭乃)
0:10:44 Idol Talk(新居昭乃)
0:11:11 Idol Talk(新居昭乃)
0:21:23 SANTI-U(菅野よう子)
0:24:00 Idol Talk(新居昭乃)
0:26:13 The borderline(新居昭乃)
0:29:36 私の彼はパイロット(高乃麗)
1:00:41 VOICES(新居昭乃)
1:12:46 WANNA BE AN ANGEL(新居昭乃)
1:14:44 INFORMATION HIGH(Melode Seiton)
1:27:45 The borderline(新居昭乃)
1:31:23 A sai en(Raiche Coutev Sisters)
1:33:04 SANTI-U(菅野よう子)
1:39:49 VOICES(インスト)
1:40:44 After, in the dark(山根麻衣)曲名のわからない曲でクレジットにあったのはこれだったので。訂正よろしく。
1:45:04 VOICES(新居昭乃)
1:50:36 VOICES(新居昭乃)
主要スタッフ
原作:スタジオぬえ/河森正治
制作:有限会社トライアングルスタッフ
製作・著作:バンダイビジュアル株式会社、株式会社ビックウエスト、株式会社ヒーロー、株式会社毎日放送、小学館
総監督:河森正治
監督:渡辺信一郎
脚本:信本敬子
コンテ:河森正治、渡辺信一郎、(23M 樋口真嗣)
オリジナルキャラクターデザイン:摩砂雪
特技監督:板野一郎
美術監督:針生勝文
色彩設計:西香代子
音楽:菅野よう子
音響監督:三間雅文
撮影監督:1M 高橋明彦、234M 安津畑隆
編集:掛須秀一
舞台設定・メカニカル設定:宮武一貴、河森正治
設定:田中精美、佐山善則
作画監督:1 夷倭世、2 青野厚司、4M 瀬尾康博
演出/作画監督:3 森山雄治
メカニック作監:4M 後藤雅巳
作画監督補佐:1 小倉陳利、岸田隆宏、鶴巻和哉、4 逢坂浩司
プロデューサー:高梨実
アシスタント・プロデューサー:中島伸治